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「いわば僕はダメ錬金術師だったんですよ」。
ようやく島にたどり着いた彼はこう切り出した。
追われてこの島にやってくる人間はめずらしくないが、
島民は皆彼の言葉に興味深げに耳を傾けた。
「向こうでは本当に錬金術なんかあるのか?」。
一人の島民がひやかすように聞いてきた。
「あるさ」。
「そうだな、まずアニメなんかになったら、ゲームになるわ、
ラーメンになるわ、カレーになるわで、その一つ一つが小金を稼いでくる」。
「おおっ!」。
歓声があがった。興奮しながら彼はこう続けた。
「もっとすげえのがあるんだ。カードさ!カードゲームになれば、
カードを刷るだけでまるで札を刷っているように儲かるのさ」。
「すげえ!」。
酒場のボルテージは最高潮になった。
「あんたもその錬金術やってみてくれよ」。
島の男が言った。
しかし彼に出来る錬金術は、ひとつたりともなかった。
「なんだよ、あんたよりましな錬金術師はこの島にもいるぜ」。
全くその通りでございます。
勝手に改蔵「小金の錬金術師」の反省文より

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